ニット帽 

12月某日。今日の買い出し当番は俺だ。そしてもう一人は征士。

ナスティのパジェロが車検なので、バスに乗って街まで行かなければいけない。
だから、いつもよりも防寒をしっかりするっていうのはわかる。

わかるが。

……お前なんですかそのニット帽は。


「伸に無理矢理かぶせられたのだ。ちょっと風が強いと言ったらこれだ。」


グッジョブ伸。


常々俺は天才だと思っていたが、認識を改めた。天才はお前だ。
征士より寒がりな俺には何にも用意してないってことも忘れてやろう。


征士にニット帽。


この組み合わせを考えたお前に敬意を表する。


いつものくせっ毛が帽子に押さえられておかっぱ状態になってる。
押さえられた髪が顔に当たるのが気になるのか、上目遣いに前髪をいじる征士。


……ヤバい。
マジで可愛い。


普段から綺麗な顔してるが、帽子一つでこんな幼い風情になるなんて反則だ。


「当麻、どうかしたのか?」


いやいや、なんでもない。


「やはり変か?こういう、女性がかぶるような物は私も本意ではないのだ」


ちょっ……!待て!取るな!!かぶってろ!!!
いいか、帰るまで絶対その帽子取るなよ!


「な、なんなんだ?お前まで伸のような事を言って」

ブルータス、お前もか。

まあいい。

伸、この事に関して俺達の心は一つだ。


よし、じゃあすぐに出かけよう。

買い物は時間をかけて、ゆっくりしよう。


可愛い伊達さんは脳内補完でお願いします。
地の文書こうと思ったのですが、無理でした。つくづく文章書く人って凄え。

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05/11/11